乾燥する季節。
適切なケアで保湿したいですよね!
そこで注目したいのが、様々な化粧水やクリームなどに活用されている【尿素】。
しかし、お肌にいいのはなんとなく知っていますが、尿素が具体的にお肌へどのように効果があるのか知っている方は意外に少ないかも?
尿素の特徴と効果を知っていると、これから、尿素入りのスキンケア用品を選ぶときのメリットになりますよね!
尿素の特徴と効果的な使い方とは?
尿素とは?
尿素は、化学式では「CO(NH2)2」と表される有機化合物の1種です。
無色無臭の結晶で、人をはじめとする哺乳類や両生類の尿に含まれています。
尿素はその名のとおり、わたしたちの尿に含まれる物質の一つです。
からだの中でタンパク質が分解されたときにできる物質で、尿や汗に溶け込んで体外へと排泄されます。
尿の中だけではなく、肌にも尿素は存在しています。
尿素は角質層のうるおい成分である「天然保湿因子(NMF)」の一つなんです。
また、微量ですが、汗にも含まれています。
さらに、保湿剤として医薬品に使われたり、尿素樹脂の原料、肥料などにも使われています。
尿素のメリット
尿素には美肌へのメリットがたくさんあります。
お肌の保湿効果
尿素は、先ほど説明したとおりハンドクリームなどの化粧品や、手荒れに効果的な成分として広く知られています。
それは、尿素にはお肌にとってのメリットがあるからです。
尿素は分子量が小さく、水によく馴染む性質を持っています。
そのため、保湿成分としてはたらきます。
保湿は、スキンケアやエイジングケアの基本ですが、尿素には水分を吸着するはたらきがあります。
つまり、尿素は、水分を保持するタイプの保湿成分なのです。
保湿成分としての尿素は、グリセリンやBG,アミノ酸とよく似たはたらきをするのです。
お肌のターンオーバー促進効果
尿素入りクリームのもうひとつの効果は、「肌のターンオーバーを促す効果」です。
この効果こそが、尿素入りクリームの大きな特徴だと言えるでしょう。
尿素はタンパク質を分解する働きがあるため、尿素入りクリームを肌に塗ると、肌の表面にある角質層がやわらかくなります。
古い角質層が肌にとどまってごわごわ、ガサガサとしているときに尿素入りのクリームを塗れば、表面がやわらかくなって不要な角質が落ちやすくなり、ターンオーバーが促されるんです。
毛穴を目立ちにくくする
肌が乾燥すると、表皮の角質細胞内のアミノ酸や尿素などからできている「NMF」(天然保湿因子)や、セラミドを含む「角質細胞間脂質」が減少します。
これらの成分が減少すると、肌の保湿力が低下し、潤いが失われるのです。
その結果、肌のキメが粗くなり、小じわなどの肌トラブルが目立つようになってしまいます。
また、肌の内部の水分量の減少やターンオーバーのサイクルの乱れによって、肌のハリ感がなくなり毛穴が目立ったり、内部に詰まった古い角質や皮脂が毛穴を押し広げてしまったりもします。
尿素入りのスキンケアを使うと、効果的にお肌を保湿してくれターンオーバーを正常化して、毛穴を目立ちにくくしてくれます。
尿素のデメリット
尿素入りクリームは肌に良い効果ばかりではないんです。
角質を溶かしてしまう
乾きやすく硬くなりがちな肌にとって保湿能はよいことです。
しかしタンパク質を必要以上に分解してしまうのは、かえってお肌へ負担をかけてしまします。
どういうことかというと、尿素のハンドクリームは化学的に外部から角質を溶かしていき、角質が溶けて剥がれると、当然お肌は新しい角質を作り出そうとします。
まだ新しい角質を作り出している段階で、続けて尿素配合のハンドクリームを塗ると、まだ育っていない表皮を溶かしてしまい、かえってお肌にダメージを与えてしまうということです。
未熟な角質が増えてしまい、バリア機能が整っていないために赤くヒリヒリしたり、乾燥が悪化する場合もあります。
結果的に敏感肌を招いてしまうケースも少なくないため、尿素の使用には注意が必要なのです。
ターンオーバーを必要以上に早めてしまう
肌のターンオーバーっていうのは、単純に速いほうがいいっていうものではないんです。
もちろん、ターンオーバーが遅れて、古い角質が残ることで肌が硬くなったりごわごわガサガサしたりしているときには、角質を取り除いてターンオーバーを促すのが有効です。
しかし、正常なターンオーバーの状態のときに、角質を取り除いてターンオーバーを急がせると、成長しきっていない角質細胞で新たな角質層が作られることになってしまいます。
未熟な角質細胞で形成された角質層は、バリア機能が十分に働かず、乾燥しやすく刺激に弱い肌になってしまうんです。
肌のターンオーバーに問題のない人が尿素入りクリームを使うと、ターンオーバーが速くなりすぎて、かえって肌の調子を崩してしまいかねないんです。
尿素を効果的に使うには?
・尿素は、基本的にお肌の角質が硬く、荒れた状態が続いている場合や角質が固まって剥がれる場合などには、使った方がよい成分です。
しかし、乾燥などを感じていても、角質に硬さを感じなかったり、敏感肌の傾向にある場合は、使わない方が無難です。
手湿疹などでもあかぎれやひび割れがある場合は刺激を感じるリスクもあるので、炎症があるので尿素は避けましょう。
・尿素配合のハンドクリームやボディクリームを一定期間使うと、お肌の状態が改善します。
改善した時点でお肌へのリスクが低い、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分重視のものへ切り替えてみるのも1つの方法です。
出来るだけ、長期間尿素を使わなくても済むような工夫をしましょう。
尿素がフェイスケアにあまり使われない理由
- 乾燥肌や敏感肌、インナードライ肌の方へのリスクがあるので、尿素は向かない方も多い。
- エイジングケア化粧品は、使い続けることが基本なので、そもそも尿素の持つ特性がエイジングケア化粧品に合わない。
- 尿素が分解されると、アンモニアに分解されて、異臭がでるようになることもあるので、保管に気を付けないといけない。
まとめ
今までの尿素のイメージは、なんとなくお肌によさそう。。
でしたが、こんなにも強力な成分だったとは驚きでした!
その分お肌のトラブルでお悩みの方には強い味方ですよね!
改善するまでは、尿素の力を借りてお肌を正常な状態に戻しましょう。
そのあとは、自分の肌が今どんな状態なのかをしっかりと見極めて、必要なときだけ上手に使っていくことが尿素との賢い付き合い方ですね!