粉瘤ってご存知ですか?
実はニキビと勘違いして、放置している方も多いようです!
なかなか治らず、逆に大きくなるようでしたら【粉瘤】を疑いましょう。
ニキビと粉瘤の対処の仕方は違うので、確認が必要です。
今回は粉瘤の原因とケア方法をご紹介します!
粉瘤とは?
粉瘤(ふんりゅう=アテローム、アテローマ)は、なんらかの原因で皮膚の下に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の物ができ、本来はターンオーバー(肌の新陳代謝)によって剥がれ落ちるはずの古い角質や皮脂、垢などがその中に溜まることでできる、皮膚の良性腫瘍のひとつです。
粉瘤は、皮膚腫瘍のなかで最も発症する患者さんが多い疾患です。
通常の場合は良性で痛みを伴わないため、放置してしまう方も少なくありません。
しかし、炎症を起こしてしまうと、不快な臭いを発したり痛みがでてきたりします。
粉瘤は顔・耳・背中にできやすい
皮膚がある場所であれば身体中どこにでもできる可能性がありますが、顔や頭、首、耳、背中にできやすい傾向があります。
粉瘤の原因は?
一部の症例では、ヒトパピローマ(乳頭腫)ウイルスの感染や外傷が原因ということがわかっています。
外傷の場合は、表皮の成分が傷の中に埋め込まれてしまうことによって、粉瘤ができてしまいます。
そのメカニズムははっきりしていませんが、切り傷や打撲、ニキビ跡などがきっかけになるとされています。
毛がない部位の場合は、主に傷が原因となって皮膚の一部が皮膚内にめくり込まれることでできると考えられています。
これは、ピアス跡や手術跡などがきっかけになることもあるようです。
この他、ウイルス感染がきっかけといわれています。
しかし、大部分の原因は、いまだ不明のままで、背中にいくつもできてしまうといった、体質的に粉瘤ができやすいという方もいらっしゃいます。
粉瘤とニキビの見分け方
粉瘤の場合、皮膚の表面に「開口部」と呼ばれる穴が開いていることがあります。
開口部は固まった老廃物などで塞がっていることが多く、皮膚の表面から見ると「おへそ」などとも呼ばれる黒い点に見えます。
そのため開口部の黒い点の有無が、ニキビと粉瘤を見分けるひとつのポイントです。
また、粉瘤の自覚症状は主に「皮膚の下にしこりを感じる」というところから始まります。
袋状の嚢胞にたまった老廃物が膨らんで、皮膚の表面からしこりのように膨らんで見え、袋状のしこりは外側から指でつまめることもあります。
つまり、完全に指でつまめるものは、粉瘤ということですね。
粉瘤の対処方法は?
粉瘤は自然治癒しない
粉瘤が自然治癒するということは、基本的には考えにくいです。
しかし、ごく稀に粉瘤が自壊して、開口部から袋ごと内容物が排出された場合、自然治癒というかたちになることもあります。
通常では、粉瘤は治療をしない限り治癒することはなく、次第に内容物が蓄積されていくため巨大化していきます。
自分で潰すのはNG
粉瘤は自分で潰してはいけません。
粉瘤を自分で潰すと、手術をしても再発する可能性が高くなります。
炎症を起こしていない粉瘤の場合、皮膚に穴をあけるくり抜き法で袋を取り出すことができ、この場合は傷跡も目立たず通院の必要もありません。
しかし、炎症を起こしてしまった場合はくり抜き法で処置できず切開することになるため、傷跡も大きくなりやすく通院する必要が出てきます。
針などを使って皮膚を傷つけ粉瘤の中身を取り出した場合、傷口から細菌が入り炎症を起こす危険性が高いです。
また、内部の膿が広がることにより、粉瘤の周囲が炎症を起こすこともあります。
粉瘤は自分で潰さず、早めに病院で処置をしてもらうようにしましょう。
まとめ
痛みもなく、気づかないうちに大きくなってしまう【粉瘤】。
ですが、放置しておけば、炎症や化膿を起こす危険性があります。
最近では、病院ですぐに対処してくれるので、傷跡を残さないためにも早めの治療が大切になります。
粉瘤と疑われるものができた場合には早めに病院へ行きましょう。